理学部長挨拶
人類は、複雑な自然に潜む基本的な法則を探求するとともに、それらの法則から複雑で豊かな自然が形成される仕組みを明らかにしてきました。そして、その知見に基づいて科学技術を発展させてきました。鳥に憧れ、飛行の原理を解明し、飛行機を発明したように。自然は複雑で、豊かで、魅力的です。「理学」は、そんな自然や社会に潜む無数の「なぜ?」を発見し、その原理、システムを明らかにする学問です。
理学部には、数学、物理学、化学、生物学、地球科学の5つの分野を扱う4学科2インスティテュートがあり、自然科学と数理科学の様々な領域の教育・研究を行っています。いずれの教育プログラムでも、低学年次には、講義や少人数のゼミ、実験・実習・演習を通して、人類が解き明かしてきた自然の原理とシステムを学び、技術を身につけ、自然を見る目と科学をする姿勢を養います。集大成となる卒業研究は、学修に基づいた主体的な「なぜ?」に対する理解を実験・ゼミ等を通じて深め、自然の仕組みの一端を解き明かすプロセスです。
4年間の学修・研究により、皆さんが自然、人間、社会に対する自らの「なぜ?」を解き明かす経験を積み、「なぜ?」を発見する力と、その原理とシステムを解き明かす力を身につけることを目指しています。その力により、先行きの見えにくい現代の社会と人類の未来を皆さんが切り開いていくことを期待しています。
福岡大学理学部で共に学び、自然・人間・社会の謎に挑みましょう。
理学部 各学科紹介
応用数学科では、構成的かつ体系的に高度な現代数学を学ぶことができます。単なる数学の知識の蓄積にとどまらず、柔軟な発想力、豊かな創造力および論理的な思考力を備え、数学の学修を通して社会人として直面するさまざまな問題の本質を見極め解決する力と国際性を兼ね備えた人材の育成を目指しています。
物理科学科では、物理学とその応用分野の既知の事実と理論を学びます。さらに、物理現象を広い視野から理解し、論理力、分析力、創造力および未知の現象を解明する力を修得し、総合的な視野から知識の活用ができ、豊かな人間性、社会性および国際性を兼ね備えた活力ある人材の育成を目指しています。
化学科には機能性物質の開発を目指す「物質化学系」と分子レベルでの生命現象の解明を目指す「生命化学系」があり、それぞれの専門分野で既知の事実と理論を学びます。両系とも、化学的現象や物質の機能発現の原理を理解し、化学の知識と技術を実社会で活用し、21世紀に国内外で活躍できる活力ある人材の育成を目指しています。
地球圏科学科では、自然科学科目全般にわたって幅広く学んだ後に、地球科学、地球物理学、生物科学のいずれかの分野を専門的に学び、それぞれの分野の多様な現象を広い視野から理解できるように学修します。さらに、未知の現象を解明する力、論理力、分析力、創造力を発揮でき、国内外で活躍できる人材の育成を目指しています。
社会数理・情報インスティテュートコースは、応用数学科のコースです。本コースでは、社会を構成するさまざまシステムの原理を数理モデルで表し、そのような数理モデルを理解・分析する知識を習得し、それを応用してさまざまな問題に立ち向かってイノベーションしていく人材の育成を目指しています。
ナノサイエンス・インスティテュートコースは、物理科学科と化学科が共同で運営するコースです。化学と物理学を横断・融合する学びから、新しい機能をもつ新素材や従来よりも優れた素材の開発などができるナノサイエンスのエキスパートを育成することを目指しています。