福岡大学理学部

地球圏科学科

カリキュラム詳細

地球科学分野


壱岐島の安山岩溶岩

  • 地球物質科学Ⅰ・Ⅱ
    岩石の構成単位の鉱物の物性、化学組成、対称性、結晶構造、および岩石の参状、組織構造、化学組成および生成条件について、花崗岩や玄武岩類を取り上げ考察する。
  • 地球物質化学
    マントルや地殻下部物質の構成鉱物と化学組成および部分溶融によるマグマの生成・上昇・分別結晶などの過程で起こる元素の移動や濃集・循環について解説を行う。
  • 地球物質循環学Ⅰ・Ⅱ
    地球構成物質は水と反応を行ない、水を媒体とした物質の循環を行っている。そのような水の科学的特徴や反応過程、また循環による特定の成分の移動濃集過程の理解を深める。
  • 地球環境進化学Ⅰ
    地層は地球環境進化の歴史的過程を記録してきた唯一の証拠である。本講義では地層および堆積層から得られる情報を整理し、過去の環境変動を解析する手法を講義する。
  • 地球環境進化学Ⅱ
    地層中の古生物群の変遷を生層序学的に解読し、地球史のタイムスケールを確立する手法と、化石群集を分類・解析し、古環境と古生物生態系を復原する手法について考究する。
  • 地球変動科学Ⅰ
    固体地球圏で起こるさまざまな変動を統一的に理解するための基礎となるプレートテクトニクスおよびプリュームテクトニクスを中心に講述する。
  • 地球変動科学Ⅱ
    日本列島が持つ地質構造の特徴とその形成過程をプレートテクトニクスの枠組みの中で理解し、さらに東アジアの地質構造の発達史についても講述する。
  • 地球物質科学実験Ⅰ・Ⅱ
    野外観察をまじえ、地質図の見方読み方、および地質図作成法を習得するとともに、野外における岩石や鉱物の鑑定力、岩石資料や野外で得たデータの処理方法を体得させる。
  • 地球科学野外演習
    実習候補地の地質情報を文献検索し、既報論文の要約を行ない、野外実習用のガイドブックを作成させる。これらを通して、報告文作成やプレゼンテーションの方法を学ぶ。
  • 地球科学野外実習
    西南日本の特徴的な地球科学現象が観察できる地域を選定し、4泊5日の行程で野外実習を行う。野外では自ら露頭の観察を行ない、結果はレポートとして取りまとめる。

地球物理学分野


スバルバール島でのライダー観測とオーロラ

  • 地球物理学概論
    地球の内部・海洋・大気圏の構造と、そこで起こるさまざまな現象について、その調べ方、そのような構造になる理由、その現象が起こる理由を、物理法則を用いて説明する。
  • 流体力学Ⅰ・Ⅱ
    まず静止流体に関する基本概念を明確にし、次いで、完全流体と粘性流体の基礎的な運動と力学について講義する。ベルヌーイの定理、水の波、渦運動、乱流等について詳述する
  • 地球流体力学
    大気の構造、大規模な波動の特性が中心的な話題となるが、海洋・マントルの大規模な運動も、地球流体の運動であるとして、統一的に捕らえる観点に立てるよう配慮する。
  • 地球環境物理学
    太陽放射と地球放射により、大気の熱的構造がどのように決まるかを議論する。また、太陽放射による光化学過程で、オゾン層や電離層がどのように形成・維持されるかを解説する。
  • 光学
    光は現象に応じて、光線、光波、電磁波、光子、光刺激など、異なる概念で把握される。光学では、さまざまな光が示す諸現象と、それを解析する方法とを概説する。
  • 原子物理学
    古典物理学では解釈できないさまざまな現象や実験を取り上げながら、光や電子が波動と粒子の性質を併せもつことが明らかになる過程を通して、微視的物理学への導入を行う。
  • 地球物理学実験Ⅰ
    代表的な対流現象の観察・測定を通して流体実験の基礎を学ぶとともに、初等物理学の問題を数値的に解き、数値シュミレーションの基礎的な能力を習得する。
  • 地球物理学実験Ⅱ
    レーザー光による回折実験を通して、光の回折・干渉の概念を理解する。また、雲の発生実験、太陽放射強度の計測、大気浮遊微粒子(エーロゾル)の顕微鏡観察を行う。
  • 地球物理学実験Ⅲ
    太陽光の分光観察、大気の諸要素・エーロゾル濃度等の観測をする。観測を通じて、大気観測の手法を学び、大気中における物質の輸送・太陽放射特性などについて考察する。
  • 地球物理学実験Ⅳ
    回転する流体に固有の運動に関するいくつかの実験を行ない、地球流体の特性を理解する。また、2次元の水平熱対流の数値実験を行ない、数値シュミレーションの技法を習得する。

生物科学分野


ミツバチのロイヤルコート

  • 動物生理学
    動物体内での生理的恒常性の維持や生態防御にかかわるさまざまな機構(ホルモン作用、浸透圧調整、血液循環、免疫など)の基本的な仕組みについて解説する。
  • 発生生物学
    受精に始まり、配偶子形成で終わる発生過程のさまざまな現象を説明し、決定、誘導、分化といった発生生物学特有の概念を分子レベルで解説する。
  • 遺伝生物学
    遺伝学はメンデル法則発見から現代の分子生物学まで、染色体レベルから分子レベルへと展開してきた。古典遺伝学から最先端の分子遺伝学までを歴史をたどりつつ解説する。
  • 構造生物学
    動物の感覚系および中枢神経系を構成する細胞を中心に、電子顕微鏡レベルの微細構造の特徴と機能について解説し、その機能に関連付けて細胞の微細構造を理解する。
  • 神経生物学
    脳・神経系を理解するために、神経細胞の興奮、伝導と伝達、感覚器とその刺激受容、神経系による情報処理、運動出力などの基本的な仕組みについて解説する。
  • 行動生物学
    動物行動の一般的特徴を解説後、その行動発現の基本的な仕組みを感覚情報の抽出、学習・記憶機構、統合機構などの神経機構、および内分泌系の働きから解説する。
  • 進化生物学
    分子進化学、進化生態学、集団遺伝学における近年の目覚しい発展を踏まえて、進化の諸仮説とその検証、および研究法について解説する。
  • 構造生物学実験
    生物学の研究に不可欠な顕微鏡(光学顕微鏡、走査電子顕微鏡、透過電子顕微鏡)観察に必要な技術と観察結果の解釈・評価法を習得する。
  • 機能生物学実験
    昆虫やカエルを用いて、動物の行動とその基礎となる神経系に関する実験を行ない、行動実験と神経レベルの実験技術、および実験結果の評価法を習得する。
  • 発生生物学実験
    アフリカツメガエル卵を用いて、実験発生学的、および発生遺伝学的基礎実験を行ない、発生生物学に不可欠な実験技術、および実験結果の評価法を習得する。