化学科の初年次教育
このページでは化学科の初年次教育の詳細や授業風景についてご紹介します。
「化学コミュニケーション」の時間に、染色の実験を行いました
1年次後期に開講されている「化学コミュニケーション」では、科学と社会の関係に注目して、「化学の言葉で表現する、わかりやすく伝える」ためのトレーニングを行っています。
2025年12月の授業の様子を紹介します。今回のテーマは「染色」です。日常生活で、紙などの素材に色をつけるには,大きく二つの方法があります。まず、色の付いた微粒子を吹き付けたり塗ったりすることで、これはインクジェットプリンタなどの印刷分野や、絵の具、化粧品などでおなじみです。もう一つは、色素を布と結合させることで、これは衣類に色をつける際に利用されています。今回は、この二通りの方法で、微粒子や絹布を染色しました。

染色の様子を観察中です。TA学生(一番左)が実験をアドバイスしています。

このグループは、絹布を青く染めています。なお実験の前に、染色の仕組みを学習しています。

2種類の染色を体験しました。赤く染まっている微粒子は、食品添加物にも利用されています。
「化学コミュニケーション」の時間に、アルコールを酸化する実験を行いました
1年次後期に開講されている「化学コミュニケーション」では、「化学の言葉で表現する,わかりやすく伝える」ためのトレーニングを行っています。観察した内容を写真や文章で表現したり、構造式作成ソフトを使って反応の仕組みを説明したりするなど、実験を重視している点が特徴です。
2025年12月の授業の様子を紹介します。今回のテーマは「アルコールの酸化」です。過マンガン酸カリウムは高校の化学でも登場する酸化剤です。ベンジルアルコールというアルコールを酸化すると、芳香のする化合物を生じます。学生たちは実験中、化合物の香りを楽しんでいました。

二人一組で実験しています。色の変化を観察しています。

(左)過マンガン酸カリウムとアルコールを反応させています。いい香りがします。
(中)ろ過すると、目的物の溶けた透明な溶液が得られます。
(右)ろ液に塩酸を加えると、目的物が白い結晶で得られます。
「化学リテラシー」の時間にチューター教員との交流を行いました
化学科にはチュートリアルという制度があり、学生4~5名のグループにそれぞれ1名の担当教員がつきます。学習だけでなく生活面においても個別指導を行い、大学生活へのスムーズな移行の橋渡しをします。
「化学リテラシー」の授業の中でも、大学生活へのアドバイスのほか、研究調査やスライドの添削などを受ける時間を設けています。
2025年6・7月の様子をお届けします。

このグループは液体窒素を使って、チューター教員の研究室でシャーベットを作りました。グループで一緒に昼食をとるなど、チューター教員によって工夫を凝らしています。

ダビンチの橋(接着剤を使わず、割りばしを組み合わせて作る橋)を作って楽しんでいるグループです。

グループ対抗の実験大会です。粉末の中に目的物がどれだけの割合で含まれているかを、正確に求められるか競っています。
「化学プロジェクト研究」の時間に、企業の方へ提案するアイデアの試作を行っています
2年前期の「化学プロジェクト研究」は、地元企業や自治体など実社会における課題に対して、化学の点から解決策を提案する授業です。学生たちは3~4人のグループを作り、企業の方のアドバイスを頂きながら、商品の試作品を作ったりして、自分たちの提案を形にしていきます。2025年6月の様子を紹介します。

試作品(食品)の分析を行っているところです。

電子顕微鏡で食品(うどん)の表面を撮影したところです。食感の違いを化学の点から分析します。

企業の方に聞いていただくプレゼンテーションの準備をしています。
「化学リテラシー」の時間に、チームビルディングを行いました
新年度最初の授業が始まる前に緩やかな人間関係ができていると、いいスタートを切ることができます。自分のことをより深く知る、友人のことを深く理解する、チームワークを体験することを目標とした、チームビルディングという活動を行っています。
2025年4月8日の様子です。みんな最初はぎこちないのですが、すぐに打ち解けて、歓声が聞こえるようになりました。

まさに新学期、キャンパスの桜の美しい時期です。

インタビュー形式で、相手のことを知っていきます。

5~6人のグループワークでナゾトキを行っているところです。
繊維・染料業界の最前線のお話をうかがいました
化学科では、学部生・大学院生対象の講演会・会社説明会を随時開催しており、ゆかりのある企業の方々にお越し頂いております。また、企業で活躍する卒業生が自社のことを現役生に説明する場面も多いです。
今回はその一環として、学部2年生の「化学プロジェクト研究(自分たちの考えた商品やサービスを企業に提案する)」でも大変お世話になっている、(株)松井色素化学工業所の中島社長と楠見課長にお越し頂きました(2025年11月19日)。繊維産業のおかれている状況や、衣料品や印刷物で使われる色素の性質、環境に配慮した生産活動などを紹介してくださいました。現場の様子の伝わるお話は興味深く、学生たちは真剣に聞き入っていました。
在学中は化学だけでなく、語学にも挑戦してほしいというメッセージを頂き、将来の展望を描く上での参考になりました。業界の方から直接お話をうかがう機会に恵まれていることも、福大化学科の強みだと考えています。

小学校の教科書に掲載されている「サーモインク」(温度で色が変わるインク)も松井色素化学工業所の製品です。
熱心にお話をうかがう学生たち
「化学コミュニケーション」の時間に薄層クロマトグラフィーの実験を行いました
1年次後期に開講されている「化学コミュニケーション」では,「化学の言葉で表現する,わかりやすく伝える」ためのトレーニングを行っています。PowerPointで化学構造式や模式図を含むスライドを作成したり,観察した内容を写真や文章で表現したりするなど,実験を重視している点が特徴です。
2025年11月の授業の様子を紹介します。「薄層クロマトグラフィー」とは,混合物を分離する手段の一つです。まず,シリカゲルの粉が薄く塗ってあるTLCプレートの下の方に,試料溶液を1滴滴下します。これを,展開溶媒を入れたビーカーに入れると,溶媒が下から上に移動するとともに,試料も移動します。写真を見ると,化合物によって移動速度が違うことがわかりますね。紫外線ランプを当てると,色がはっきりわかる化合物もあります。この現象を利用して,色素の混合物を分離したり,市販の解熱鎮痛剤に含まれている化合物を推定しました。

実験の後は,観察した内容を報告するスライドを作成しました。そして,化合物によって移動速度が違う理由を,写真や図を使いながら説明しました。授業を通じて,表現する技術を身につけるだけでなく,化学の基礎的な事柄を整理し,専門的な化学の学びの足掛かりにすることも狙っています。

理学部化学科で開催したワークショップ「ホンネカフェ」がFUKUDAismで紹介されました
当化学科の松岡雅忠准教授は、本学科1年次生対象の科目「化学コミュニケーション」の授業の一環として、将来について考えるワークショップ「ホンネカフェ」を2024年12月12日開催しました。その内容が大学広報サイトである「FUKUDAism」で紹介されました。
詳しくはこちら

本ワークショップは、「自らが学ぶ学問と社会の繋がりを意識し、理学が実社会にどう関わっているかイメージする」「自分の知識や経験が実社会でどのように貢献できるかを知り、学習に対するモチベーションを高めること」を目的としています。
参加者の多くは来年度(2年次生)、協力企業の方とともに、化学の視点から企画や商品を提案する「化学プロジェクト研究」を履修します。今回はその前段階として、一般社団法人フミダスおよび熊本県の企業15社のご協力のもと1年次生と就職活動中の3年次生の約80人が参加しました。

ワークショップでは、受講学生が3~5人のチームを組み、グループでのフリートークを中心に、企業と学生が「働く」ことについて本音で意見交換を行いました。企業説明やキャリアの話を聞くことができた学生や協力いただいた企業の方からは、次の感想が寄せられました。
・参加した学生
「化粧品の開発に携わる職業に就きたいと思っていましたが、まだまだ知らない職業や業界があることが分かりました」
「大学での学びは専門性が高まり職業選択の幅が狭まると思っていましたが、むしろ広がっているということに気付きました」
・企業の方
「学生の皆さんの率直な質問や意見を話されている様子が見受けられ、有意義なワークショップになったと思います」
「明るく活発な印象で、コミュニケーション力が高い学生が多く好印象でした」
「1年次生は将来のことよりも、まずは興味ある化学分野の学習を大切にしており、これからの可能性に期待します」
また、本ワークショップを企画した松岡准教授は、「1年次生のほか、就職活動中の3年次生も参加しました。化学科の就職というと化学工業、医薬品、化粧品、教員というイメージがありますが、幅広い業種の方にお話を伺うことで、学生も働くことに対する選択肢など視野が広がる機会となりました」と話します。
【ご協力いただいた企業】
オートアライアンスホールディングス株式会社、金剛株式会社、株式会社ゆめマート熊本、株式会社BlueMeme、三共ポリエチレン株式会社、富士精工株式会社、株式会社C2C、株式会社杉養蜂園、株式会社エイジェック、株式会社サイバーレコード、株式会社出田産業、アイ・エイチ・ジェイ株式会社、株式会社フンドーダイ、株式会社サカイ引越センター、株式会社電盛社 計15社



